映画『はじまりのうた』を観ました。
ジョン・カーニー監督。
素晴らしい!
音楽を好きでいて、バンドをやっていてよかったと思える映画でした。
レコーディングの醍醐味を疑似体験できる
お金もスタジオもないなら街でレコーディングしよう!というアイディアの元、ニューヨークの街の色んな場所に機材を運び、寄せ集めのバンドメンバーで、「いっせーの」でレコーディングをする。
街の音も、近所で遊んでいた子どもも、全部味方にしていく。
このレコーディングのシークエンスは、曲の良さも相まってどれもグッときました。
特に素晴らしかったのはビルの屋上でのレコーディング。
ロケーションは最高だし、プロデューサーであるダン(マーク・ラファロ)の娘のバイオレット(ヘイリー・スタインフェルド)が弾くヘタウマなギターも最高だし、曲も良い!
音楽と映画の奇跡が詰まったシークエンスでした。
マーク・ラファロ、ベース似合いすぎ
この曲ではグレタ(キーラ・ナイトレイ)にけしかけられてダンがベースを弾くことになるのだけど、ストラップの高さ、ベースの構え方、立ち方、すべてが様になっていてかっこいい!
マーク・ラファロは今すぐバンドを始めるべきです!
イヤホンから流れる曲で踊る(のを見られても不審がられない)ためにクラブへ行く
素晴らしい映画には、ごく個人的な琴線に触れてくる、印象的な"フック"のシーンが多くあるように感じていて、この映画も例に漏れず、「グッときたよね!」と熱く人に語りたくなるようなシーンがいくつもありました。
ダンとグレタがイヤホンを二股にするケーブルを使ってお互いのプレイリストを聴かせあいながら街を歩くくだりで、ダンのプレイリストの曲でグレタが踊りだす。
グレタに「踊ろう!」と言われたダンが「じゃあ、あっちだ!」と言って向かった先は街のクラブ。
イヤホンから流れてくる曲で思いきり踊るためだけにクラブに行き、クラブを埋め尽くす大勢の人とは違う曲で踊る二人。
このシークエンスはとても映画的でグッときました。
グレッグのソングライティング力がヤバい
劇中に登場する曲が単純にいいものばかりだったり、Maroon5のアダム・レヴィーンの歌がめちゃくちゃ上手かったり、広く誰にでも楽しめる映画だと思うんですが、音楽を愛する人にはより楽しめる映画だと思います。
今作を機に聴いてみたんですが、監督のジョン・カーニーがかつて所属していたバンド「The Frames」や、音楽を担当したグレッグ・アレキサンダーが所属していた「New Radicals」もとても良いバンドでした。
特に「New Radicals」の最初で最後のアルバム「Maybe You've Been Brainwashed Too」は、15年経ってもグレッグのソングライティングの個性が色褪せていないことを感じられて、オススメです。