「家、ついて行ってイイですか?(明け方)」の神回をご紹介します。
映画のような環境の家族が登場し、それでいて泣ける回でした。
「家、ついて行ってイイですか?(明け方)」に登場した壮絶な家族の絆が泣ける
テレ東のモンスター番組「家、ついて行ってイイですか?」の深夜版
「家、ついて行ってイイですか?(明け方)」は、毎週水曜日21時00分~21時54分にテレビ東京で放送されている「家、ついて行ってイイですか?」の深夜版。
放送時間は毎週月曜28時〜28時15分で、過去にゴールデンタイムで放送された回から1組を取り上げ15分間に再編集して放送されています。
テレビ東京が誇る人気番組の一つですが、知らない方のために内容を公式サイトから引用すると
「終電を逃した人に、タクシー代を払うので「家、ついて行ってイイですか?」とお願いし家について行く完全素人ガチバラエティー」
というものです。
市井の人々の生活を覗き見できることが番組の魅力ですが、今回ばかりはその範疇を越えています。
今回の"家主"は「日本語が得意じゃない日本人」
大雪が降り路面もビチャビチャの深夜の渋谷駅で番組スタッフが声をかけたのは「もり」さんという20歳の女性。
「わたし日本語あまりよくないので…」と最初は消極的な姿勢ながらも、スタッフが趣旨を説明すると、取材を快諾。
日本語が得意じゃないと言う彼女は両親ともに日本人の純日本人ですが、父親の仕事柄、海外での生活が長く、そのため英語の方が自然に話せるということでした。
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自宅は広尾の一軒家
もりさんは広尾にある一軒家で母親との二人暮らし。
自宅に向かうタクシーの中でもりさんに話を聞き、自宅ではもりさんの母親にも話を聞く、というのが番組の内容のすべてですが、この15分間で映画のようなエピソードや感動のエピソードがたくさん出てきます。
外交官の父親に連れられ世界各地で生活
海外での生活が長かったというもりさんの父親は外交官。
父親の外交官という職業ゆえ、もりさんも幼少期から世界各地を転々としてきました。
東京で生まれ、その後すぐ
- ニューヨークで4年
- プレトリア(南アフリカ)で2年
- モスクワで3年
- 東京で6年過ごし、
- パリで3年間高校に通い、
2年前からまた東京で暮らしているとのことでした。
父親は超エリート
もりさんの父親は外交官の中でもかなりのエリートでした。
南アフリカ時代は参事官(簡単にいうと大使館のNO.3らしい)として日本大使館に勤務。
その後ロシアでも参事官を務め、日露間の政治的案件を扱っていたそうです。
特に北方領土問題における交渉では、四島同時返還を信念にしていました。
Mossadとの関係も
家には「Mossad(イスラエル諜報特務庁)」のメダルも飾られていました。
「Mossad」は世界最強とも言われるイスラエルのスパイ組織で、アメリカのCIAと並ぶ実力と言われているそうです。
もりさんの母親曰く「日本で情報機関にいた頃に知り合った情報官からもらったんじゃないか」とのことでした。
情報機関に出向
その情報機関というのが内閣情報調査室。
テロやミサイルに関する機密情報等を総理に直接報告する機関であり、日本版CIAとも言われる内閣情報調査室に、もりさんの父親は帰国後に出向しました。
機密情報を扱うこの機関で働くようになってからは、家族にも一切仕事の話はしなくなったそうです。
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父親は5年前に自殺
家族の仲はとてもよかったようですが、父親は5年前に自殺。
原因ははっきりとはわかっていないそうですが、死後わかってきたのは「仕事で扱っていた案件の重すぎるプレッシャー」「両親の介護」という精神を圧迫する要因。
これがはっきりと自殺の原因だと判明しているわけではないですが、おそらくこういった要因が複合的に精神を蝕んでいったのではないかという話でした。
暗殺の方が気持ちが楽だった
もりさんの父親は、暗殺されていてもおかしくない立場でした。
「正直なところ、私にとっては暗殺であった方がまだ気持ちが楽だった」
と、もりさんの母親は語っています。
5年経った今も、あの時なにがあったのか、本当のことはわからないそうです。
未だに現実感がなく、夫の死を受け入れられていないのかもしれない、とのことでした。
妻であることがアイデンティティ
若くして結婚したもりさんの母親は、
「主人の妻であることが私のアイデンティティだった」
「主人が亡くなったことで私自身も死んでしまった」
とも語っています。
そんな過去がありながらも、
「今必死に自分のアイデンティティを築いている真っ最中です」
と前向きに強く生きていることも教えてくれました。
もりさんはレズビアン
もりさんの部屋を見せてもらっている際に、番組スタッフが恋愛関係の質問をしている流れで、もりさんがレズビアンだということがわかります。
番組に配慮して「言ってもいいのかわからないんですけど…」と前置きしつつも、部屋に飾られたレインボーフラッグ(LGBTの象徴)を指し示し、もりさんの恋愛対象が女性だということを堂々と教えてくれます。
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もりさん自身はLGBTであることを隠すことなく生活しているそうです。
渋谷駅で初めてスタッフと接触した時から放送が終わるまで、もりさんは素直でまっすぐに生きていて、他人に配慮することもできる気持ちのいい人柄だということが伝わってきます。
番組ではお兄さんのエピソードも出てきますが、もりさんはお兄さんを自慢の兄と思っているようでした。
もりさんの素晴らしい人柄は、ご両親やお兄さんにたっぷりの愛情を注がれて育ってきたんだろうなという家族の愛を感じさせます。
クリスチャンの母親とLGBTのもりさんを繋ぐ「レインボーのロザリオ」
もりさんのご両親はどちらもカトリックのキリスト教徒。
部屋にあった父親の写真にはロザリオ(キリスト教の数珠のようなもの)がかかっていました。
キリスト教にとって、LGBTはタブーとされています。
もりさんがLGBTであることを家族にカミングアウトした際、もりさんの母親はレインボーのロザリオをもりさんにプレゼントしました。
「自分はクリスチャンだけど、もりのことは好きだよ」というメッセージのこもったプレゼントに、もりさんは号泣したそうです。
自分の娘がキリスト教で許されていないLGBTだと知り葛藤したというもりさんの母親はこんなことも言っていました。
「たとえキリスト教の教義から外れていたとしても、"神はもりを愛してくださっている"ということをもりにはわかってほしかった」
「何があってもやっぱり最後まで娘を信じたいと思いますから、常に親の気持ちでいると思いますよ。娘に対しては」
このことは直接もりさんには伝えていなかったようで、"初めて聞いた"と母親を小突くもりさんと、「言ってなかったかしら?」と笑顔で言う母親のやりとりにも家族の愛を感じました。
父親に聴かせたかったウクレレ
もりさんによるウクレレの弾き語りも放送されていました。
家族で沖縄に行った際にお兄さんが弾いていたウクレレを聴いて「なんか楽しそうだな」と思い、もりさんは父親にウクレレを買ってもらったそうです。
Jeremy Passionの「LEMONADE」という曲を弾き語り、お父さんとのエピソードを話してくれました。
「(私がウクレレを弾くのを)お父さんがすごい楽しみにしてたし、いつも"もり、まだやってる?"と聞かれていて、時々"(今度ウクレレ)聴かせて"って言われていた」
「今の曲はすごいいい曲だし、お父さんに聴かせたかったなと思う」
番組スタッフが家族について質問したとき、もりさんは家族一人ひとりに尊敬と愛情を持っていることを、素直な言葉で答えているのが印象的でした。
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父親からもりさんへの最後の手紙
自殺した父親がもりさんへ向けて残した最後の手紙がありました。
すべて英語で書かれた手紙にはこんな内容が書かれていました。
「まだずっと一緒にいたい」
「絶対に絶対にこれは知ってほしい。もりはこの件(自殺)には関係ない」
「すごいいい娘でした。本当に本当に好きです」
「でもごめんなさい。でもずっと愛しています」
この放送の中で、もりさんの家族の仲の良さが伺える思い出の品やエピソードが随所に登場します。
それだけに観ているこちらも、もりさんの父親の死が残念に思えてなりません。
それでも今は前を向き、互いを思いあって、尊重しあっている家族は本当に素敵だと思いました。
「家、ついて行ってイイですか?」が面白すぎる
僕はこの番組を毎週観てるわけでもないですが、たまに気が向いたタイミングで観てみると、毎回面白いです。
今回は特に面白かったのでブログで紹介しました。
「ネットでテレ東」というサイト(スマホアプリもあります)なら最新回が無料で観れます。
今回紹介した回はもう観れなくなってしまいましたが、番組の最新回が毎週更新されているので気になる方はチェックしてみてください。
15分間という番組の短さも観やすくてオススメです。