裸眼日記

札幌在住のミュージシャン青柳唯(あおやなぎゆい)が音楽・映画・お笑いなどについて書くブログ(両目1.5)

カミナリのどつき漫才はパンチライン満載のラップバトルだ

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カミナリのどつき漫才はフリースタイルラップバトルが背景にあるんじゃないかと感じています。

カミナリのどつき漫才とラップバトルの共通点を紹介しつつ、カミナリのどつき漫才の面白さの秘密を紐解きます。

カミナリのどつき漫才とフリースタイルラップバトルの共通点

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たくみくんのツッコミはパンチライン

最近はもう、たくみくんが呂布カルマに見えてならないです。

相手の言葉の中から矛盾点やおかしなところを見つけ出し、意外な角度から切り込むことで観客を盛り上げる。

たくみくんのツッコミには呂布カルマのパンチラインと共通するものがあるように思えてならないのです。

「パンチライン」で観客は盛り上がる

ラップバトルでの勝敗のつけ方は一言では言い表せず、複合的な要因が絡み合っています。

その中でも大きな指標の一つが「観客の盛り上がり」

どういうときに観客が盛り上がるのかというと、上手に韻(ライム)を踏んだときや独特なフロウ(リズム)などのテクニック的な部分が秀でていたとき。

また、「的を射た鋭いディス」「納得感のある返し・指摘」「とんちの利いた返し」「笑える上手い切り返し」などが決まったときも盛り上がります。

そういったラップ(対話)の内容で会場が盛り上がった場合、そのセンテンスを「パンチライン」と呼びます。

窮地に追い込まれた一休さんが、とんちの利いた一言で全員納得させる、というのは「パンチラインが決まった」と言っていいでしょう。

そういう意味で、カミナリの漫才においてたくみくんのツッコミで笑いが起きるということは、たくみくんのツッコミ、つまり「パンチライン」が決まったということです。

まなぶくんのボケは、敢えて「瞬間的な笑い」が起きない性質のセリフを選んでいる

カミナリのボケ・まなぶくんのセリフにはボケがたくさん隠れています。

わかりやすいボケのセリフではないので、まなぶくんのセリフだけでは笑いが起きづらい(敢えてそういうセリフを選んでいる)のですが、実はツッコミどころがいくつも隠れています。

観客はそのセリフに対して「ボケが1つか2つ入ってるな(でもすぐにはツッコまないんだ?)」という印象を受けますが、実は観客が気付きにくいようなボケも隠れていて、たくみくんはそこをツッコみます。

たくみくんのツッコミは「意外性」と「納得感」が両立しているから面白い

観客がすぐに「こういうボケだよね」と気付くような、わかりやすいボケ部分をツッコんでも意外性がなく、笑いは起きません。

「そんなところツッコむの!?でも確かに的を射た指摘だな〜!」という絶妙なボケの要素をツッコむことで"意外性"と"納得感"が両立して笑いが生まれます。

呂布カルマのMCバトルでも、「相手のその言葉を逆に利用しちゃうんだ!?しかもめちゃくちゃ正論だな〜!」という意外性と納得感によって、その言葉がパンチラインとなり、観客を盛り上げたりしています。

たまにツッコミがいきすぎてボケになる

ごく稀に、たくみくんのツッコミがいきすぎてボケになってしまっている時があります。

正論、正論、正論ときて、また正論かと思いきや、正論を飛び越えて過剰なツッコミになってしまい、もうそれはボケになっちゃってるよ、ということがあります。

これは「ごく稀」というバランスでないと漫才が破綻してしまう危険性もはらんでいるのですが、この少量の過激なスパイスがカミナリの漫才の中毒性を底上げしているように感じます。

呂布カルマも「いや、それ相手の言葉尻捕まえて正論かましてるみたいな雰囲気でラップしてますけど、トンデモナイ嘘ついてますよね!?」という時があって、それが絶対嘘だとわかるからこそボケとして成立していて(嘘か本当かわかりづらい中途半端さがあると成立しない)、そのいきすぎた発言がボケとして面白いからこそ会場が盛り上がり、パンチラインとなることがあります。

漫才もラップバトルも一つのショー

漫才は二人が協力して作り上げる演芸。でもフリースタイルラップバトルは敵同士の対戦でしょ?という声もあると思います。

それも確かに間違っていないのですが、フリースタイルラップバトルでの対戦相手とのラップのやりとりも、観客に見せることが前提の一つのショーです。

もちろん勝とうとして戦ってはいますが、観客がそれを見て楽しむことが大前提にあるので、漫才もラップバトルもどちらも一つのショーと言えると思います。

カミナリの二人はラップ大好き

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ゴッドタンのマジ歌選手権でラップを披露

2018年1月1日に放送されたゴッドタンでは、マジ歌選手権にカミナリが初出場しました。

その際に披露したマジ歌はコンビのギクシャクを歌ったラップ

曲の隙間にどつき漫才も織り交ぜ、ラップと漫才が融合した見事なマジ歌を披露しました。

二人ともラップが上手く、まさにマジ歌でした。

最初のコンビ名もラッパーにまつわる名前だった

カミナリは結成当初「ブッダ」というコンビ名でした。

命名理由はたくみくんが好きだったヒップホップユニット「BUDDHA BRAND」から。

のちに作家の勧めで改名することにはなりますが、ラップが本当に好きだということが伝わってくるエピソードです。

笑いなしのオリジナルラップも披露 

www.youtube.com

2017年末にはSpotifyのイベントでオリジナルラップを披露しています。

笑いなしのガチのラップは、2017年のカミナリを振り返った内容でありながら、しっかりと押韻していくガチのラップです。

2018年もカミナリが轟くか

2017年のブレイクタレント1位(前年と比較して番組出演本数が最も増加したタレント)に輝いたカミナリ。

彼らの人柄やコンビの関係性をみていると、どこかオードリーと重なる部分があるように思えてなりません。

ポンコツのボケとキレ者のツッコミ、学生時代からの友達同士のコンビで関東出身、事務所は常設小屋を持っていなくて、M-1グランプリで優勝は逃すも独自の漫才を披露したことからブレイクなどなど…。

カミナリもオードリーのように芸能界で様々なことを吸収して、これからも売れ続けてほしいと願っています。

最後に、僕が明確にカミナリにハマるきっかけとなった番組についての記事も書いているので、よかったらどうぞ。

www.yuiaochang.com