裸眼日記

札幌在住のミュージシャン青柳唯(あおやなぎゆい)が音楽・映画・お笑いなどについて書くブログ(両目1.5)

『ご本、出しときますね?』人気作家の爆笑エピソードやハッとする考え方が満載で最高すぎる

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この記事は長いのであとでまとめて読む(はてな用)

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BSジャパンで放送されている番組『文筆系トークバラエティ ご本、出しときますね?』が毎週楽しみでしょうがない。

この番組は毎回新しい考え方や生き方を知ることができて、ハッとしたり、救われたり、気付かされたりして、笑えて泣ける。とても良質な番組なんです。

オードリー若林がMCを務め、毎回2人の作家をゲストに迎える。
その3人で視聴者からの質問に答えたり、それぞれが自分に課している「私のルール」についてトークをするという内容*1

どの世界の人でも、「一流」と呼ばれる人たちはどこか人と違う部分を持つ人が多いのかなと思うのですが、自分ひとりで考える時間が多そうな「作家」という職業だとさらにそういった部分が強くなるのではないか。

つまり「一流の小説家」には変人だったり、アクの強い人が多いんじゃないか、そう思うんです。

そんな個性の強い人たちが自分のこだわりについて話したら、面白くないはずがない!

この番組の構成を考えた人は本当に、番組作りの能力が異常に高いなと思います。目の付け所、狙いどころが鋭い*2

全人類必見!とは言わないけど、僕の周りにいる人たちには少なくともオススメしたい今一番グッとくる番組です。
僕と感覚が近い人はみんな大好きになっちゃうと思います。

そんな超優良番組「ご本、出しときますね?」の素晴らしさを、具体的なトーク内容を紹介することによってあぶりだしていきたいと思います。

「今日わかってもらおうとする」のは優しさだった

若林は自分のルールとして「今日わかってもらおうとすると口ゲンカになる」を紹介。

内容としては「仲の良い後輩芸人の間違った考え方を論破してわからせようとすると口ゲンカになってしまい、結局その後輩もこちらの考えを理解できずに終わる。なので、今日わからせようとはせずに、やがて彼が気付く日が来るように、その種を蒔くように、言葉を少しだけかける」というもの。

そこから作家の二人に話は飛ぶ。
読者に対して、小説をどう書いているのか。

ゲストの朝井リョウは「今日わからせようとする」タイプ。

読者は朝井の小説を読み進めていくうちに右手を縛られ、左手を縛られ、両足を縛られ、身動きできない状態にされる。
小説の結末部分で朝井は両手で読者の顔を掴んで「この小説はこういう話だ!」と凄むように小説を書くらしい。

つまり朝井は読者に多様な解釈を許さない。
自分が決めた受け取り方しか読者にしてほしくないし、されないように小説を書いているらしい。

それに対して西加奈子は「読者にわかってもらおうと思わない」という。

まだ年齢も若く考え方が子どもな朝井に、達観している大人な西。
そんな空気になりかけたとき、天然なのか気を遣ってなのか、その両方なのかもしれないが、西が朝井に言葉をかける。

「朝井くんは優しいんだよ。読者とコミットしようとしている。私は読者と繋がろうとしてないからわからせようと思わない」

この西さんのフォローの説得力と優しさ!
西さんのそういうところすごく好きです。

自分に置き換えてもすごく共感できる話で、今日わからせようと何度がんばってもわかってもらうことができない相手っているよなあと思いました。

それでも諦めきれない自分がいて、そんな自分を子どもだと思っていましたが、そんな自分すらをも認めてもらえたような気持ちになりました。

ちょうどいい叱り方はない

仕事ができないマネージャーに対して「殺すぞ!」と言う若林。

本当はそんな強い言い方をしたくない。
前は優しく指摘していたが、優しく言っていた頃は何度言ってもマネージャーが同じ失敗を繰り返し続けていた。

そこで敢えて強い言葉で「殺すぞ!」と言ってみたら、一発で同じ失敗をしなくなったらしい。

事務所のためにも、マネージャー自身のためにも、自分がやらなきゃいけない仕事として強く叱るという若林だが、いまだに強く叱るのは楽じゃないし、本当はどうやるのが正解なのか迷っているようだった。

そんなときにゲストの長嶋有が金言を送る。

「人を叱るのに"ちょうどいい"はない」

人を叱るときは言い過ぎちゃうか、言い足りないかのどちらかしかない。
ちょうどよく人を叱るなんてこと、できるもんじゃないというのだ。

そう言われた若林は自分を肯定されたような、許されたような表情で感嘆していた。

職場の部下や部活の後輩に対しての叱り方について悩んでいた人も、人にこう言ってもらえると救われるような気持ちになったんじゃないでしょうか。
まさに僕がなったんですけども。

あきらめることで楽に生きる

山崎ナオコーラのルールは「あきらめる」。

山崎はかつて、パソコンに向かうと涙がダラダラ流れてきて何も書けないほどのスランプに陥ったことがあるという。

そのスランプを乗り越えたきっかけというのは父の死だったりしたらしいのだが、そのタイミングで考え方が、気持ちが切り替わったらしい。

良い作品でなくてもいい。売れなくてもいい。認められなくてもいい。出版社が困ってもいい。自分が書きたいことだけを書こう。

そうやって自分の高い理想を壊して、色んなことをあきらめることで、気持ちが楽になりスランプを乗り越えることができたらしい。

確かにそういう風に考えられたら楽なのはわかるけど、なかなか簡単にできるものじゃないですよね。

より良い作品を作りたいし、人に認められたいと思ってしまうものです。

「父の死」くらいの、自分にとって大きなインパクトのある出来事がないと、人が根本的に考え方を改めることは難しいのかなとも思いました。

この放送回の終わりには「あきらめる」ことに関する小説を一冊紹介することになり、もう一人のゲストである平野啓一郎さんが森鴎外の「高瀬舟」を紹介していました。

おわりに

今回紹介したのはほんの一握りのエピソードで、番組では毎回グッとくるトークがたくさん繰り広げられています。

クレイジーすぎるエピソードを持つ変人作家の爆笑トーク*3や、オードリー若林さんの歪な性格を暴露するエピソードトークなどもあって、この番組が「トークバラエティ」であることも忘れていません。

BSジャパン、僕も観れる環境にないのですが、最新回のみ番組オフィシャルサイトで無料で観ることができます。

www.bs-j.co.jp

最新回のみの視聴で、アーカイブは観ることができないので、毎週欠かさず観たいと思っています。

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2017/07/06 追記

今年の春には書籍化もされました!

DVDでも発売してほしいけど、「ご本、出しときますね?」だから、あえて本で出すのが粋ですね。

 

*1:今日のトーク内容の中から印象的だったテーマを題材にしたオススメの一冊を紹介する、というのが番組の締め方なんですが、今日の一冊よりもやっぱりトークこそが番組の一番の魅力です

*2:ゴッドタンなどでお馴染みの佐久間宣行さんがプロデューサーなのかな?

*3:村田沙耶香さんのエピソードや考え方は異常すぎてヤバいです。